株式会社山本製作所

技術ブログ

2020年4月3日 仕事

レーザーカットの切断面についてのお問い合わせ

代表の山本です。

本日、インターネットからお申込みいただきレーザーカット板を納入させていただいたあるお客様より、板の穴がテーパー状になっていて、なんとか使えますが原因を教えてくださいとお問い合わせをいただきました。そこで回答申し上げた内容を掲載してみたいと思います。

レーザー切断機は基本的に発振器で作られたレーザー光をレンズで集中させることにより切断能力を高めます。

太陽光を虫眼鏡で集めて黒い紙を焦がすのと同じ原理です。

この場合、図が示すように光がレンズ以降はテーパー状になっている分、穴だけでなく外周も含めてすべての切断面がテーパー(斜め)になります。

そして、テーパーによる板の表と裏の寸法差は当然材料の厚みが厚ければ厚いほど顕著になります。

 

単純に材料の厚みの分だけ寸法差がでることともうひとつ、薄い板を切るのであればパワーが要らない分だけ薄い(度の弱い)レンズを使用でき焦点距離が長くなるので角度Aを小さくすることができますが、厚い板を切る場合はパワーが欲しいのでより多くの光を集める為に分厚い(度のきつい)レンズを使用するので焦点距離が短くなり角度Aが大きくなって、より寸法差が大きくなる要因になります。

 

発振器の出力を上げて光の強さそのものを強くできれば、薄いレンズが使用でき、焦点距離が長めにとれることで角度Aが小さくなり、寸法差の度合いを少なくすることが可能になりますが、出力を上げるには発振器そのものが高出力でなければならず、それそのものが高価でありランニングコストも増大します。

 

当社では守備範囲が薄板ですので、高出力のレーザー加工機は必要頻度が極端に少ないので導入していませんが、厚板を得意としている会社であれば持っているのでそこにお願いすればその度合いを少し小さくすることは可能だと思いますが、あくまで少しであり、これも価格上昇につながります。

また、そもそもの理屈的に限界がありますので、真っすぐ、あるいは寸法精度を求める場合は、一番高コストになりますが機械加工が必要になるということになります。

 

最近は、インスタグラムが主流になり、また客先の了承を得られないものも多いので、非常に久しぶりのブログ更新になりました。

なかなかブログタイトル通りの技術感のあるお話ができていませんでしたので、匿名で掲載させていただきました。

 

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