株式会社山本製作所

技術ブログ

2017年9月13日 仕事

医療用遮蔽容器

代表の山本です。

今回は鉛の加工業者であるオーケーレックス㈱様よりご注文を頂き製作している医療用放射線遮蔽容器についてのお話です。

 

現在弊社では、医療現場で放射性薬剤の運搬や廃棄物の保管に用いられている、医療用の放射線遮蔽容器という製品を製作しています。

 

福島の原発事故や、北朝鮮のミサイル、核開発の問題から、放射線と聞くと「原発」「核爆弾」などを連想する方が多いと思いますが、「レントゲン」や「放射線治療」など医療の分野においてもその技術が使用されています。どのような害があるか諸説ありますが、基本的に放射線は生物にとって有害なものであり、被ばくを避けなければなりません。

 

放射線には物理的性質の違いなどによってα線、β線、X線、γ線、中性子線などさまざまな種類がありますが、一部の種類を除き大半の種類の放射線を止める用途として密度が高く比重の重い金属である鉛が広く使用されています。しかし、鉛は鉛筆などからも想像するように非常に柔らかい素材であり、鉛単独で一般に使用するのは困難なため、弊社でステンレスで表面をすべて覆い、使用用途に適した形にして製品としています。

板やパイプ、形鋼などの材料の切断や曲げ、ロール、溶接、仕上げも弊社内で一貫生産するとともに、製品が重いことから蓋の開閉に用いるスライドレールやガスダンパーの組み付けキャスターの取り付け、クッションゴムの貼り付けに至るまで鉛の部分以外をすべて弊社で行っています。これが、通常の板金加工業者ではなかなかできないorやろうとしない部分であり、弊社の強みでもあります。

また、異種金属加工業者どうしのコラボレーションというのも面白く思います。

 

ちなみに放射線は、紫外線や赤外線、光線と同様に〇〇線と言うように線ですのでまっすぐに進むので、空気感染の様なイメージではなく、鉛などの遮蔽物の陰に隠れれば被ばくはしませんので、下記のような壁だけの製品もあります。